天敵がいない?テントウムシダマシの生態と駆除・予防策をご紹介!

気がついたら野菜の葉っぱが穴だらけになっていた。そんな時は、もしかすると「テントウムシダマシ」の仕業かもしれません。可愛らしい見た目のテントウムシは益虫ですが、似た姿のテントウムシダマシは農作物に被害をもたらす害虫です。

今回の記事では、テントウムシダマシの生態とご自身でできる駆除方法についてもお伝えします。大切なお野菜を守るために、ぜひ参考にしてみてください。



テントウムシダマシとは?

テントウムシダマシとは草食テントウムシの総称で、「ニジュウヤホシテントウ」と「オオニジュウヤホシテントウ」などに分類されます。適切に駆除できるよう、まずはその生態と肉食テントウムシとの見分け方を解説します。

テントウムシダマシの生態

ナスやキュウリ、トマトなどのナス科とウリ科の植物を好み、春頃から活発に動きはじめます。葉っぱの裏側に細長い卵を産み、孵った幼虫はタワシのようなトゲトゲの姿が特徴的です。成虫、幼虫ともに植物の葉っぱを網目状に食べて、農作物に被害をもたらします。寒い時期は落ち葉の下などで過ごし、地中のジャガイモを食べて冬を越します。

肉食テントウムシとの見分け方

それぞれの違いとして分かりやすいのが斑点の数です。テントウムシダマシは斑点の数が多く、28個もあります。また艶がなく、産毛が生えているのが見た目の特徴です。主に葉の裏側に潜んでおり、しっかり確認しないと発見しづらいです。一方のテントウムシは肉食で、害虫のアブラムシを食べてくれます。艶やかな背中をしており、斑点の数は7つです。


テントウムシダマシによる被害

草食であるテントウムシダマシは食欲旺盛で、野菜の葉っぱを穴だらけにします。すると野菜の光合成は阻害されて、実がうまく成長できません。葉っぱの食べるところがなくなれば、次はナスやキュウリの実まで食べ始めます。また、1度に大量の卵を産むので、繁殖スピードが早く、あっという間に植物への被害が広がります。


テントウムシダマシに天敵はいるのか

テントウムシダマシには、天敵となる動物がいません。これは見た目がテントウムシとそっくりであることが関係しています。

肉食のテントウムシは「アルカロイド」という、鳥が嫌いな成分で身を守っています。一方、テントウムシダマシは「アルカロイド」を持っていません。しかし、テントウムシに擬態することで、天敵のはずだった鳥に食べられなくなりました。

したがって、テントウムシダマシの駆除は人間が行うしかありません。

テントウムシダマシの駆除方法

テントウムシダマシによる被害が確認されたら、すぐに駆除しましょう。繁殖がとても早く、放置するとすぐに被害が拡大してしまいます。殺虫剤を使わない場合、準備するものは手袋と紙コップ、ハサミの3つです。

成虫の駆除

テントウムシダマシは葉の裏側にいることが多いので、丁寧にチェックします。成虫は葉を揺らせば簡単に落ちるので、発見できたら手で葉を揺らして落としましょう。このときにコップを受け皿にして、後でまとめて駆除します。地面に落としてしまうと、再び葉っぱに戻るので注意です。


卵と幼虫の駆除

成虫と同様、葉の裏側を探します。卵や幼虫が見つかったら、葉っぱごとハサミで切り落としましょう。

テントウムシダマシは卵を一箇所に密集させる習性があります。しかし、成虫になると1匹ずつ離れて生息するようになり、駆除するのに手間がかかるので、卵や幼虫の時点で駆除することが大切です。

 

テントウムシダマシに有効な殺虫剤

テントウムシダマシには殺虫剤も効果的ではありますが、植えている植物に合わせて選ぶ必要があります。ジャガイモであれば、オルトラン水和剤やベニか水溶剤が使用可能です。ナス科であれば、サイアノックス乳剤やスミチオン乳剤などの農薬が適しています。


予防策で被害を最小限にしよう

駆除方法と合わせて、テントウムシダマシが繁殖しないための予防策もご紹介します。

ジャガイモの近くに植えない

まず、ジャガイモの近くにナス科・ウリ科の植物を植えないようにしましょう。先述のように、テントウムシダマシは寒い時期に地中のジャガイモを食べて、春になると繁殖に向けて外へ飛んでいきます。このとき、好物の植物があると住みつきやすいので、あらかじめ遠ざけておきます。

防虫ネットを張る

防虫ネットで植物を覆ってしまい、外からテントウムシダマシが飛んで来ないようにするのも有効です。ネットはなるべく網目は細かい方が防虫効果も高くなります。

雑草を放置しない

雑草が生い茂っていると、そこもテントウムシダマシには快適な住処になります。雑草はこまめに処理しておきましょう。


福島化学松山株式会社へお問い合わせください

テントウムシダマシは手作業で駆除できるうえ、殺虫剤の効きも良いので駆除そのものは難しくありません。
しかし、一度に大量の卵を産むため、繁殖スピードが早いです。葉の裏側に隠れているので、発見が遅れやすく、見つかったときには既に被害が拡大しているケースも少なくありません。殺虫剤を使えば駆除できるものの、使用量が増えるのはあまり望ましくないです。
また、急いで作業をしていると、益虫である肉食のテントウムシもまとめて駆除してしまう恐れもあります。栽培している植物の数が多く、駆除作業が追いつかない時は、ぜひ福島化学松山株式会社へご連絡ください。

害虫駆除の専門家が大切な植物についてしまったテントウムシダマシを迅速に駆除し、予防策も行います。